World Topics  From Portland, USA
Dignity Village ホームレス支援のモデルケース

ヴィレッジ内には菜園が数多くあり、食材の確保と余剰分の販売を目指しているが、「私たちが苦手な分野でまだ軌道にのっていません。野菜の作り方の知識や技術を提供してくれる方がいたら、この先の暮らしにつながるので、現金での募金以上にありがたいですね」とスコット氏。

“全米で住みたい街No.1”といった格付けや自由でオーガニックなライフスタイル、カルチャーの発信地としても日本で話題になるオレゴン州ポートランド。この街は、市民参加型のまちづくりでも知られています。

“今回ご紹介するのは「Dignity Village(ディグニティ・ヴィレッジ)」と呼ばれるホームレスの自治コミュニティです。14年前、下町のホームレスたちが市との交渉の末、空港付近の土地約1エーカーを無償で借用する権利を得て誕生しました。現在60名が、住居や事務所、シャワー室、共用座談室など43棟の並ぶヴィレッジで暮らしています。一般的なシェルターとの大きな違いは、住人の声を反映した自治制度で運営されていること。維持費も住人が材木やリサイクル部品の販売を行うことなどで賄っています。また、規則を守れば、基本的には最長2年間ヴィレッジに滞在することができます。その間に、路上生活で消耗した心身を回復し、外で仕事を得て、自立することを目標としています。

自宅前のスコット現副代表。みんなで建てたばかりのスモールハウスに当選し、妻と暮らす。夫婦で暮らせるのは、ディグニティ・ヴィレッジの特徴の1つ。
自宅前のスコット現副代表。みんなで建てたばかりのスモールハウスに当選し、妻と暮らす。夫婦で暮らせるのは、ディグニティ・ヴィレッジの特徴の1つ。
(TOP写真)ヴィレッジ内には菜園が数多くあり、食材の確保と余剰分の販売を目指しているが、「私たちが苦手な分野でまだ軌道にのっていません。野菜の作り方の知識や技術を提供してくれる方がいたら、この先の暮らしにつながるので、現金での募金以上にありがたいですね」とスコット氏。

様々な事情で社会生活から外れてしまった人びとが、自らの尊厳を取り戻し、前に踏み出すための場所と時間を得られること。このようなアイディアは世界的に、これからの社会やまちづくりに必要な優しさかもしれませんね。