JAPAN Feature 石川県・金沢市 KANAZAWA つくるまち、つなぐまち

公益社団法人金沢青年会議所

かなざわ国際みらい塾

観光面の活性化だけでなく、人やモノ、文化など、これからますます国境を越えた交流が見込まれる金沢。63年の歴史をもち、地元の若い企業人などで構成される金沢青年会議所では、国際都市に向けた取り組みをいち早く進めてきました。今年で6年目を迎える「かなざわ国際みらい塾」の活動について、金沢青年会議所の2015年度グローバル人材育成委員会委員長の道正慎一さんと幹事の宮貴之さん、副委員長の橋野仁さんにお話を伺いました。

かなざわ国際みらい塾

「『かなざわ国際みらい塾』(以下 みらい塾)は、青年会議所が主催する金沢の学生と留学生による交流プロジェクトです。昔から“学都”金沢と呼ばれるほど、教育に力を入れている都市ですので、これから国際都市をめざすうえで、教育は大変重要な役割を担うはずです。みらい塾はそうした背景もあり、金沢で学ぶ大学生と外国人留学生が交流しながら、共にグローバルな視点を養うために始まりました。金沢大学や北陸大学、金沢美大や金沢工大など留学生の受け入れを積極的に進めている地元の大学と連携して、大学内での交流にとどまらず、各大学から集まった学生たちがみらい塾を通じて、金沢という土地を舞台に国際交流を促進することが目的です。毎年コンセプトを決めて、継続して取り組みを行っています」

金沢を舞台にフィールドワーク

今年度のみらい塾では4回に分けて、実践的なワークショップや体験型のフィールドワークを進めています。

1. 価値観や文化の相互理解

まずはメンバー同士の自己紹介。その後、日本人も各国からの留学生も互いに理解を深め、仲良くなるために「貿易ゲーム」というワークショップを実施しました。貿易を疑似体験するもので、双方の価値観を知り、お金を稼ぐための交渉の工夫が必須になるため、自然と相互理解が生まれます。交渉術などお国柄が見えることも多く、海外の学生の中にはかなり上手の人もいたとか。

2. 金沢の伝統文化体験

さらに交流を深めながら金沢の文化を知ってもらうために、6つのグループに分かれて伝統文化体験のフィールドワークを実施。酒蔵、金箔、加賀友禅、和菓子、漆器など、それぞれの製造現場を体験しました。地元の企業も協力的です。そして、終了後に各グループごとにディスカッションを行い、それぞれ自分たちが体験したものをいかに魅力的に伝えられるか、言語も様々、寸劇などを交えたプレゼンテーションを行いました。

金沢を舞台にフィールドワーク

金沢を舞台にフィールドワーク

3〜4. 金沢ツアーガイドマップの制作

交流を深めたメンバーは、最終的には金沢の街を自分たちで歩き、体験するなどして、外国人向けの多言語金沢ツアーマップを制作します。途中に報告会を実施し、他のグループの経過を参考にしながら、より良いものにするべく、日本学生と留学生が協力しあって制作を行います。完成したツアーマップは、今年11月に開催される「2015 JCI世界会議金沢大会」のイベントでも活用が予定されています。

金沢を舞台にフィールドワーク

金沢を舞台にフィールドワーク

2015 JCI世界会議金沢大会

2015 JCI世界会議金沢大会

2015年11月3~8日に金沢で開催される「JCI世界会議金沢大会」。世界に広がる国際青年会議所(JCI)の各国代表が金沢に一堂に会し、各地で行われている取り組みの発信や交流がなされます。金沢が有する歴史・伝統文化の価値、国際性などが評価され、2013年のリオ大会の際に開催地に選ばれました。会期中は“金沢らしさ”を感じてもらえるプログラムを多数用意、国際都市金沢を世界にアピールし、世界との交流を育む重要なイベントとなるはずです。

金沢青年会議所では開催に向けて行政や地域と連携して準備を進めてきたと同時に、みらい塾生たちが制作したガイドマップの活用や、海外から訪れる多くの人を受け入れるためのボランティアを市民から募集しています。記念すべき大会を市民と一体になって盛り上げ、国際都市金沢への大きな一歩を踏み出そうとしているのです。

今回の特集では「KANAZAWA つくるまち、つなぐまち」というテーマで、行政、民間、個人の方々など、それぞれの取り組みをご紹介しました。共通しているのは、金沢という都市が長い歴史の中で守り受け継いできた伝統・文化の価値を、いまの時代にあわせて新しく発信し、高めていることだと思います。特に、“金沢プライド”と呼べるような決してブレない精神をみなさんがもち、自分たちが暮らす金沢を愛し、世界を見据えてその価値を広めていこうとしています。

「地方創生」が叫ばれていますが、決してお金をかければ解決するものではありません。育まれてきた魅力や価値をあらためて掘り起こし、地元の人のまちへの愛や誇りをどのように醸成していくのか。文化育成もビジネスも長期的な視野に立ち、何を新しく変えて、何を守り伝えるべきか。大きな節目を迎えたこれからの金沢の姿に注目です。