JAPAN Feature 石川県・金沢市 KANAZAWA つくるまち、つなぐまち

Seattle Standard Cafe'(シアスタ)

北陸新幹線の金沢開業にあわせて石川県公認のPRソングとして話題になった「かがやき」。地方と首都圏で離れて暮らす遠距離恋愛中の恋人同士のエピソードを、爽やかに突き抜けるようなメロディラインと歌声で、県内各地の美しい映像とともに発信されました。

歌うのは金沢在住の5人組ロックバンド「Seattle Standard Cafe'(シアトルスタンダードカフェ)」。シアスタの愛称で親しまれ、いしかわ観光特使も務める彼らの活動について、リーダーでありボーカルを担当する中新賢人さんにお話を伺いました。

みんなが集まって、楽しめる音楽を

富山市生まれの中新さんが、金沢でバンドを組み、いしかわ観光特使になるまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか?

「高校からバンド活動を始め、18歳の頃に金沢の音楽の専門学校に入学しました。勉強しながら、金沢で有名なライブハウス「vanvanV4」でバイトをするようになって、そこでいまのメンバーと知り合ったんです。金沢が大好きだったメンバーで『北陸から世界へ』という地元密着の精神を大切に、2003年にシアスタが始動しました」

“シアトルスタンダードカフェ”というバンド名にはどういう意味が込められているのですか?

「じつは、ただカッコいい響きの横文字を並べようといってみんなで出し合って、つなげただけなんです(笑)深い意味はありません。でも、大切にしたかったのは、ぼくらの音楽を重くとらえず、気軽に楽しんでほしいというメッセージ。だから、マーケットとかカフェとか、人が集まって楽しめる場所を意味する言葉を入れたかったんです。アーティスト独特の“こだわり”とか“マニアックさ”ではなく、誰にでもわかりやすく楽しんでもらえる音楽をめざしています」

シアスタリーダーの中新さんシアスタリーダーの中新さん

金沢から音楽と笑顔を

「ぼくらの音楽は、メンバーの個性から生まれてくるのではなく、いろんな人たちとの出会いや交流によって生まれてくるもの。日々の暮らしの中の音楽表現なんです。音楽活動をしっかりと職業として考えるうえで、わざわざ東京を拠点にして活動したいとかそういう気持ちはありません。金沢に暮らす場所があって、大切な友だちがいて、応援してくれるファンがいて、音楽活動ができる。それがいちばんの幸せです。バンド結成当初からブレない『金沢から音楽と笑顔を』という精神もそういう考えからです。だからこそ、この金沢で生まれた音楽を、全国の、世界の人たちに届けたい!という強い気持ちで、ライブやツアー活動をずっと精力的に続けてきました。全国ツアーは初期から行いましたし、海外でもライブをやりたいという想いから自らアプローチし、上海や韓国、台湾、香港、マカオなどでもツアーが実現しました。特に台湾は金沢とも縁が深い国なので、現地のガールズグループとコラボするなど、金沢と台湾を音楽でつなぐような活動もすることができてうれしかったですね」

ライブ活動を精力的に展開
ライブ活動を精力的に展開

2013年、シアスタはバンド結成10周年のアニバーサリーイヤーに、地元で続けてきた活動が縁をつむぎ、石川県より「いしかわ観光特使」に任命されました。金沢をはじめ石川県の魅力や観光情報の発信を担うことになったのです。

「やっぱり金沢がぼくらのホーム。各地でのライブから帰ってくるとホッとしますね。おかげさまでいまはライブハウスでの活動よりも、新幹線開業のPRや県内の地域イベントへの参加、また地元のサッカーチームでJ2に所属するツエーゲン金沢のテーマソングなども歌わせてもらっています。大好きな地元でのお仕事をいただき、ほんとうにうれしいです。地域には大きな潜在能力があります。これからも、地域とのつながりを大切に、金沢からローカルの力を発信していきます!」

ツエーゲン金沢の試合で応援ソングを歌うシアスタ
ツエーゲン金沢の試合で応援ソングを歌うシアスタ

バンドとしての夢を聞くと、「石川県には100万人住んでいるので、10人に1人でも認知してもらえる存在になることですかね(笑)」と、謙虚ながらも地元愛あふれるお返事。いつかは石川の魅力を発信していけるような人やエンターテイメントをプロデュースする仕事もしたいという中新さん。石川のかがやく魅力をまとって、シアスタの挑戦は続きます。